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​展覧会

​シリーズ木霊

「未来の雑居ビルの未来」は、過去の記憶の中から生まれる。記憶をめぐる4つの物語が、虚ろになった部屋を満たす。
日本では古来、「やまびこ」は樹木の精霊=こだま/木霊が語っていることばであると考えられてきた。虚ろになった部屋、かつてそこに住んでいたひとの気配だけが残る部屋に、木霊あるいは地霊が語る記憶が満ちていく。

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1 牛島光太郎ーはなしのあとのはなし

2021年4月29日 -8月29日(最終日11月13日)

 シリーズ木霊、「記憶をめぐる4つの物語」の第一回は牛島光太郎。だれもいなくなった401号室の虚ろな空間に木霊のように棲みつく声がある。そのくぐもった声は、紺屋や大名の記憶についてさまざまに語る、あるいは紺屋界隈のざわめきなども聞こえる。その木霊は、非在の部屋に封じられた過去を呼び起こす。
 ことばをめぐる視覚的な記憶を作品化してきた牛島光太郎が、今回あらたにことばの聴覚的な記憶に着目し、新たな作品世界に挑む。

2 草野貴世-紺屋(こうや)の明後日

2021年12月18日~2022年4月17日 

 〈シリーズ木霊〉の第2弾は草野貴世個展。近年、藍染めや藍染めを生業とするひとびとをモチーフに制作している草野貴世。藍染め業は、古来「青屋」あるいは「紺屋」と呼びならわされてきた。草野の作品は、福岡の紺屋の町の一隅で、その町やほかの地域の「紺屋」や藍染めの歴史に触れながら、その土地の記憶を静かに語り始める。

 「紺屋の明後日」は、仕事が天候に左右される紺屋(藍染業)の納期が不確実で、「明後日できる」といってもなかなか出来上がらないところから、当てにならないことのたとえ。未来の雑居ビル=旧・紺屋2023の明後日=未来はどこへ?

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3 とかげ文庫コレクションの
​ナウィン・ラワンチャイクン

2022年7月9日(土)~2022年10月10日 (月)

〈シリーズ木霊〉は、紺屋2023あるいは大名という町を始めとする「土地の記憶」がテーマ。ナウィンはミュージアム・シティ天神で、大名を拠点に「博多ドライヴイン」を市中で展開し、また「希望の家:モンティエンへのオマージュ/ナウィンからの手紙」(konya-gallery 2014)を開催したことで、この町ともかかわりを持ちました。さらに、初期の作品から、展覧会を開催する場所に関わり、その土地の記憶を呼び起す作品を作り続けてきました。

 そうした活動を振り返ることで、土地の記憶を木霊のように語るナウィンのアートの魅力とパワーに触れる機会としたいと思います。

 なお展覧会にはとかげ文庫のコレクションに加え、映像作品『ふたつの家の物語』と『四季の便り』を特別出品します。

安くてつまらないおみやげもの

─とかげ文庫コレクションによる大亜細亜博覧会

2023年1月14日(土)〜2023年3月12日(日)

企〈シリーズ木霊〉の最終章は、とかげ文庫主人の後小路雅弘が、これまでの研究調査で駆け巡って集めたアジア各地のお土産もののコレクション展。「美術」の研究のために40年余りアジアを旅した傍ら、「美術」からこぼれ落ちた造形に目を向け集めてきた。そこには土地の文化、そして旅行者の欲望によって形作られた、お土産もの固有の世界が広がっている。その初めから「美術」になることを許されなかったものたちの語りが、今、「美術」を逆照射する。

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